実運用しているストラテジーのウォークフォワードテストPL公開(5つ) システムトレードうんちく 2015年11月22日 システムトレードを目指す人なら基本的に誰もが通る通過点であろうものが1つあります。それは●「他人が実際実運用しているシステムはどの程度の収益の出方をするんだろうか?」ということです。私自身が昔、様々な人のブログを見ていて様々な収益曲線を見てきた中で、上記の疑問をすごく感じていたので今回は私がこの記事で実際に実運用してるストラテジーのPLを公開しようと思います(ストラテジーの中身については言及しません)●まず、簡単に実運用に必要な検証の仕方は?ということから。A, 基本的に現物のストラテジーは多数銘柄を扱うストラテジーのウォークフォワードテスト。先物はマルチファクターモデル。シングルファクターモデルに頼るなら感覚が大事で、先物のウォークフォワードテストはあまり意味があるとは思わない。・「多数銘柄を扱う」のは現物の1つ1つに目を向けて儲けようとするのではなく、1つの銘柄群(ユニバース)を作って儲けようということです。1つ1つの銘柄に目を向けると検証作業で恣意的なPLを出しやすい(本人も気づかず恣意的なPLになることも良くある)ですが、○○な値動きをしている銘柄群などという括りで検証すると、多少恣意的なPLになりにくいです。・「ウォークフォワードテストをする」のは、実際に運用する際に過去の検証をそのまま実運用に繋げやすいからです。ウォークフォワードテストに関してはここの説明がわかりやすいので是非、ご一読を。http://excelvba-systemtrade.blog.jp/archives/cat_398286.html(参考URL:エクセルVBAによるシステムトレードソフトの作り方 第7章)※個人的には、バックテストとフォワードテストの差を確認するのではなく、フォワードテストのPLだけをつなげた収益曲線の年率(1トレードあたりの期待値)、シャープレシオ、取り扱い銘柄数を気にしています。PF、MDDなどは基本的にシャープレシオに内包され、実運用に一番精神的に安定を与えてくれているのがシャープレシオ評価です。(シャープレシオのなかでも勝ったときは標準偏差計算に入れないなどいろいろありますが、その辺は割愛)●重要指標の解説---------------------------------------------------------------------------------------年率・・・トータルでいくら儲かるか?の指標。当たり前ですが高ければ高いほどいい。10%あれば合格。5%程度でも場合によっては可。シャープレシオ・・・どれだけ安定しているか?の指標。年率シャープレシオの数値を使っています。基本的には高ければ高いほど良い。計算式は 100 * sqrt(252) * sd(ウォークフォワードテストの毎日のPL)。sdは標準偏差。エクセルでいうstdev。2あればまあまあというイメージ。3あると良い。取り扱い銘柄数・・・このストラテジーはどのくらいの潜在能力があるか?の指標。多ければ多いほど潜在能力が高い。この指標はネットで気にする人が少ない。どれだけの銘柄を売買候補に入れたか?ではなく、実際何銘柄を毎日売買に使用したか?です。取り扱い銘柄数が多いストラテジーは、1ストラテジー1億(1千万)で設計した後も上手くいけば2億3億(2千万3千万)と枠を拡大していけます。逆に取扱銘柄数が少ないストラテジーはこれができないことが多く(執行コストの問題)、絶対収益で考えた場合ストラテジーの上限が浅いです。見落としがちですが重要な指標。基本的には、高シャープレシオは低年率と思っておけばいいです。取り扱う銘柄数はシステムによってバラバラ。---------------------------------------------------------------------------------------●それでは下記に載せて置くので参考にしてください。すべて現在実運用しているストラテジーの一部です。(各ストラテジーの取扱銘柄数は非公開)おそらくですが、私は安定度重視するタイプです。(2010~2014年で当たり前ですが単利計算、レバレッジ1倍)●STRATEGY-A (年率13.5%、年率シャープレシオ6.85) ●STRATEGY-B(年率11%、年率シャープレシオ2.3) ●STRATEGY-C(年率16%、年率シャープレシオ2.9) ●STRATEGY-D(年率3.5%、年率シャープレシオ2.08) ●STRATEGY-E( 年率9.65%、年率シャープレシオ7.11) STRATEGY-Cがエースですね。(年率が高くて、シャープレシオが高め)STRATEGY-Dはできるなら改善したいですが、これが現実。1つのSTRATEGY(戦略)を改善するのは難しいものです。上記5つだと基本的にSTRATEGY-Cの収支のブレが大きく、他のSTRATEGY(A,B,D,E)でSTRATEGY-Cの底上げ&カバーをするという感じになります。STRATEGYは他にもいろいろありますが、だいたい↑の一覧の付随のようなPLになってることが多い気がします。(やっぱり割合的にはSTRATEGY-Dみたいなのが多いですよ!)基本的に月ベースでマイナスを出すことがNGな世界なので、上記くらいのストラテジーで運用しています。月ベースで見ると上記のシステムくらいを10個くらい回せばそれなりの確率でプラスになると思っておけばいいくらいです。日ベースでは勝率70%弱くらいかな?年ベースで考えるならば、もうちょっと不安定な戦略で年率重視のストラテジーでもいいのでは。他のシステムトレーダーの戦略キニナル病、システムトレードを目指そうかな?と思っている人にご参考になればと思った記事でした。 PR